【2026年度中学受験生向け】小5の「夏休み」で中学受験『社会』の全てが決まる!
・小5の夏休み、社会の勉強について特にやる事を決めていない。
・夏休み以降は、どんな社会の勉強をしたらいいかよく分からない。
という方に向けて、小5の夏休み以降の「社会」やるべき事リストを書きました(2026年度中学受験生向け)。
今回の記事は、実際に私が直近の4か月間(2024年2月から5月間)で、HPやメルカリ、Xの親御さんからいただいた情報をまとめたものになります。
つまり、現在の6年生(2025年度受験生)が、当時の5年生の時にやっておけばよかったという内容です。
注)主にSAPIX生向けの記事ですが、他の塾の方も、ライバルのSAPIX生がどういう社会の勉強をしているのかが分かりますので、最後まで読むことをおすすめします。
小5の「夏休み」のやるべき事3選(優先順)
では、早速、結論からお伝えします。
小5の「夏休み」にやるべき事は、
❶ 歴史:歴史の全体像を1回転
❷ 地理:農作物等の都道府県ランキングをマスター
❸ 公民:ニュース検定5級に挑戦
この3つになります。
理由はいたってシンプルです。
次の新6年生で配布されるSAPIXの目玉教材を効率よく終わらせるためです。
SAPIX生の目玉教材(配布時期順)
科目 | 配布時期 | 教材名 |
歴史 | 新小6の2月上旬 | 年代丸暗記テスト150問 |
新小6の2月下旬 | 歴史重要年代ステップアップカード | |
地理 | 新小6の7月下旬(夏休み) | 地理データバンク |
公民 | 新小6の7月下旬(夏休み) | 公民重要語句ステップアップカード |
上の表にある教材は、SAPIXで特に有名なもの、かつ、ボリュームがあるものになりますが、これらを効率よく終わらせるため夏休みに先手を打つというわけです。
小5の「夏休み」に先手を打つ具体的な理由
では、なぜ夏休みに先手を打った方がいいのかを、もう少し具体的に理由を説明します。
歴史について
SAPIXだけでなく、ほとんどの塾が小5の9月から歴史の授業が始まります(予習シリーズも同様)。
授業の進度は速く、翌年の1月までに歴史を一通り学習します(SAPIXは2月から歴史の2回転目に入ります)。
SAPIXは復習主義のため予習は不要と言っていますが、多くの子どもが授業内容と大量の宿題を消化しきれないまま新6年生に進んでいきます。
そして、SAPIX目玉教材の表のとおり、新6年生の2月の保護者会で歴史年号を150問覚えることが宣告されます(年代丸暗記テスト150問、以下参照)。
さらに、2月下旬には歴史重要年代ステップアップカードというものが配布されます(全部で168枚の暗記カード、各家庭でミシン目に沿って切り離します)。
このステップアップカード168枚は、単純に「年代丸暗記テスト150に、年号を18個プラスしただけ」というわけではないのでややこしいのですが、まずは年号150個を覚えるよう指示されます。
そして、新小6の2月スタート時点で、子どもの歴史の完成度合が、次のように2パターンに分かれます。
① 小5の9月から翌年1月の歴史の授業で既に年号を150個覚えている子
② 新小6の2月になって初めて年号を150個覚えることを知った子
この2パターンです。
つまり、先手を打っている子は、小5の9月から始まる授業と並行して既に年号暗記を開始しているんですね。
逆に、2月になって初めて年号暗記の存在を知った子は、下手をすると6年生の夏休みになってもまだ年号を覚えています。
中学受験というのは、当然社会だけではありません。
算数や国語は毎日問題演習が必要なうえ、理科も覚えることはたくさんあります。
そのような状況下で、年号暗記を夏休みに持ち越すと、他の科目にかなり影響が出てしまいます。
こうならないためにも、5年生の夏休みで歴史の下準備(歴史の1回転)をしておき、9月から始まる歴史の授業でスムーズに年号暗記も進めていく、というのが理想となります。
地理について
次に、地理です。
SAPIXでは、小学6年生の夏休みに入ると地理の『データバンク』というプリントが授業で配布されます(B4サイズのプリント7枚、以下参照)。
この数もまた多いです。かるく150個以上はあります。
4年生で地理をやった後に、歴史と公民の授業を大きく間にはさむので、小6の夏休みにはすっかり地理は忘れているんですね。
そして、夏休みまでに、歴史年号150個を覚えていない子は、そこにデータバンクの暗記がプラスされるのでダブルパンチとなります。
こうならないためにも、歴史と同様に、5年生の夏休みでデータバンクの先取りをしておくことが非常に重要となってきます。
公民について
最後は、公民です。
小6の夏休みには地理のデータバンクと併せて、SAPIX目玉教材のとどめ公民重要語句ステップアップカードが配られます。
その数はなんと192枚!歴史年号のステップアップカード168枚より多いです。
夏休みまでに歴史年号を覚えていない子は、まず地理のデータバンクがプラスされて、さらに公民のステップアップカードが追加でオンされるので、トリプルパンチとなるんですね。
こうなると完全に手遅れです。
夏休みはこの3つの暗記に追われてしまい、過去問演習が全くできなくなります。
このように、完全に手遅れにならないためにも、5年生の夏休みからしっかりと先取りで学習しましょう。
では、具体的に何をすればいいか。
夏休みにやるべき事を一つずつ見ていきます。
やるべき事❶ 歴史:歴史の全体像を1回転
夏休みに絶対にやるべき事の最優先事項が、歴史の全体像1回転です。
いわゆる「通史」というものですが、これは時間がかかる上に一番理解が難しいので最優先としています。
では、1回転といっても何をするのか?具体的には次の3つです。
① 時代区分(年号)の暗記
まず、時代区分(年号)を暗記することです。
歴史を勉強していく上では、今、何時代を勉強しているのか?というのはとても重要です。
そのためにも、まずは縄文時代~令和時代までの時代区分17個を言えるようにします。
「縄文⇒弥生⇒古墳・・・⇒令和」という時代区分の順番ですね。
全部で次のとおり17個あります。
最速で覚えるなら、下のYoutubeがおすすめです(500万回再生)。
1日、口ずさんでいれば簡単に覚えられます。
誰もが知っている運動会の曲なので非常に頭に残ります。
うちの小5もこれで覚えました。
ポイントは、時代区分の17個のみを覚えることです。
その後のゴロ合わせは25個ぐらいしかないので、受験レベルには完全に不足しています。
『運動会の曲で歴史年号語呂合わせ』
時代区分の順番を覚えたら、次にその境目となる年号の暗記です。
Youtubeでは時代名しか覚えられませんので、その時代が始まる年号も合わせて覚える必要があります。
年号は、次のとおり14個あります(縄文、弥生、古墳時代の年号は不要です)。
この14個は歴史全体の柱となる年号のため、必ず覚えることをおすすめします(飛鳥時代は正確には推古天皇即位の592年~とされていますが、中学受験においては593年~として問題ありません)。
マスターすると時代感覚が身に付くので、例えば第一次世界大戦(1914年)が何時代(大正時代)というのもすぐに理解できるようになります。
そして最後に、時代の節目の歴史人物をセットで覚えます。
下は「歴史先取りセット(有料)、夏休み販売開始予定」の一部となりますが、このように時代名と年号と歴史人物をセットで覚えます。
② 世紀と西暦の変換
時代区分とその年号を覚えたら、次は、世紀と西暦の変換です。
「1801年は19世紀」、「5世紀は401年から500年」というような変換ですね。
歴史の授業では、何世紀という表現が頻繁にできますので、それが西暦の何年を指しているのかすぐに理解できるようにしておきましょう。
お金換算法というやり方がおすすめです。
注)従来、無料ダウンロードとしておりました「世紀と西暦の変換プリント」「お金換算法」については、現在は「歴史先取りセット(有料)、夏休み販売開始予定」の一部となりました。
③ 歴史まんがを決めて全部読む
最後に一番大きな買い物です。
中学受験の最後まで使う歴史まんがを決めましょう。
買わないという選択肢もありますが、勉強効率が格段に上がりますので、ぜひ歴史まんがは活用することをおすすめします。
また、買うタイミングについても小5の夏休みがベストです。
これは、歴史まんがを早く買いすぎても、見ない時間が一定期間あると結局忘れてしまうからです。
そのため、小5の夏休みに購入して、そのまま9月以降も継続して読み、最後の受験まで使っていくのが一番効果的です。
すでに購入されているかもしれませんが、一番のおすすめは角川まんがです。
他の出版社と比べても一番バランスがよく中学受験向けになっています。
角川まんがをおすすめする理由についてはコチラで詳しく書いています。
ただし、その角川まんがでも、歴史の勉強がはじめての子にはかなり難しいです。
一見、まんがを読むだけだから簡単そうに見えますが、出てくる言葉や背景が知らないことだらけなので難しいです。
私も小5の子どもと春休み前から少しずつ始めていますが、2024年6月現在、6巻まで進んだところで私のつきあう時間がなくストップしています。
子ども1人で読ませてもいいのですが、はっきりいってアウトプットなしで読んでも、ほとんど身に付きません。
巻ごとに口頭でもいいので問題を出す必要があります。
理想は、子どもと一緒に親も歴史まんがを読んでお互いに問題を出し合うことです。
この歴史まんがで歴史全体を1回転できれば、9月からの授業はかなり楽になります。
最低限覚えたいのは、時代が変わるタイミングの登場人物が「何をしたのか」をおさえることです。
これだけでも知っておくこと、9月から始まる授業である程度の時代感覚を持って臨めるはずです。
ぜひ、この機会に歴史まんがを読んでみましょう♪
(参考)夏休み以降の歴史の授業
9月から始まる歴史の授業でも、進度に合わせて歴史まんがをもちろん読んでいきます(2回転目に突入)。
それと、同時に歴史年号の暗記も進めていきましょう。
ここでゴロ合わせの登場です。
市販教材やネット情報など、どれでもいいので中学受験のベースとなるゴロ合わせ教材を1つ見つけましょう。
比較的人気のある市販本が、『歴史年代暗記 改訂版 (中学入試まんが攻略BON!)』です。
まんが+ゴロ合わせなので、非常に分かりやすく中堅校ならこれ1冊で十分です(角川まんがも不要です)。
ただし、現代分野のゴロ合わせがほとんど入っていないため、御三家以上を志望する場合は中をよく確認してから購入しましょう。
御三家以上を目指してゴロ合わせが得意な子であれば、当方の教材『歴史年号ゴロ合わせ150』もおすすめです。
1つのゴロ合わせに複数事項を関連付けているので、少しハイレベルなゴロ合わせですが、メルカリでもSAPIX生の方に多くご購入いただけました。
注)年代丸暗記テスト150問には、時代区分の1912年(大正元年)・2019年(令和元年)が何故か入っていません。歴史重要年代ステップアップカードにはそこまで含まれています。
やるべき事❷ 地理:農作物等の都道府県ランキングをマスター
次に優先すべきが、地理の農作物等の都道府県ランキングをマスターすることです。
これは、SAPIX目玉教材の「地理データバンク」の一部の先取りですね。
データバンクについては、コチラの記事で詳しく書いています。
注)農作物等ゴロ合わせ42個の無料ダウンロードは2024.7.1をもって終了しました。
データバンク全体は、細かく見ると200個近くなってしまいます。
そこでおすすめなのが、このデータバンクのうち農作物等だけに絞って暗記することです。
これは、データバンクの中でも農作物等が一番覚える項目が多い分野であり、かつ、子どもにとって一番身近で覚えやすいからです。
毎日の買い物や一緒にご飯を作ったりする中でも問題が出しやすく、それに関連した平野や盆地、川なども一緒に覚えるよう工夫すればかなり効果的です。
平野や盆地などを覚えるときは、こちらの「るるぶの地図帳」がおすすめです。評価も高く、わが家も使っていますが確かに見やすいです。
農作物等の都道府県ランキングは、1年たっても順番は大きく変わりません(1位、2位が入れ替わったりするぐらいです)。
データバンク自体は、メルカリで1,000円~3,000円ぐらいで入手できます。
終了組の方が出品するので、2月が一番多く出回っています(時期によって相場が変わってきます)。
そのデータバンクを最新版に更新するには、2024年7月現在では次の『日本のすがた2024』、さらに万全に全部を更新したい方は、その上位版である『日本国勢図絵2024/2025』が必要になってきます。
小5の夏休みで農作物等の都道府県を覚えておくと、後がものすごく楽になりますので、ぜひ、歴史1回転と並行して学習しましょう。
<農作物統計・水産業ランキング2024(有料版)を作成しました!(夏休み販売予定。画像参照)>
無料ダウンロード版から、次の2点でアップグレードしています。
➊データバンクの農作物等に合わせて更新したので、水産業も含めて全部で51個(A4表裏)になりました(無料版は42個(A4表のみ)。一部なくなった農作物もあります。)
➋ゴロ合わせの全てにイラストがつきました。
やるべき事❸ 公民:ニュース検定5級に挑戦
最後は公民分野になります。これは時事にも役立ちます。
ズバリやる事はニュース検定5級の勉強です。
何故かあまり中学受験では話題にならないのですが、正直、歴史や地理よりも圧倒的に日常に役立つ知識を得られます。
これも6年生になってからではなく、5年生のうちに先取りをしておくとかなり有利です。
そして、実はニュース検定5級の合格は、歴史まんがを全巻読むことよりもはるかに簡単です。
実際にわが家の小5を例に挙げると、2024年の6月の5級試験を合格するのにかかった時間はトータル5時間です(自己採点合格41問/45問)。
1テーマ15分×18テーマ+30分全体復習=5時間ですみます。
ニュース検定5級の詳しい記事はコチラです。
この検定の勉強をして一番良かったのは、6年生になるまで全く触れないであろう憲法の基本的人権や三権分立などの政治分野を、5年生のうちに子どもが学習できたことです。
そして、公民重要語句ステップアップカードの予習にも丁度いいレベルです。
5級のレベルでステップアップカードの半分はマスターできると思いますので、かなりの先取り効果があります。
ニュース検定は、6月、11月、2月の年3回実施されているので、もし受けるのであれば次は夏休み明けの11月がおすすめです。
なお、級のレベルは次のようなイメージです。
ニュース検定5級 ⇒ 小学校6年生の教科書レベル
ニュース検定4級 ⇒ 中学受験レベル
そのため6年生になってから4級を受験するのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
繰り返しますが、今回の夏休みで一番重要なのが「歴史の先取り」です。
なぜなら1か月ぐらいで簡単に終わらない難しい内容だからです。
まんがを読むだけでも大変な上、知識をつけるために問題を解くとなるとさらに大変です。
その分、その知識を習得できれば、9月から始まる歴史の授業は面白いように理解できます。
併せて年号暗記も進めることができれば、新小6の2月で他の受験生に対して大きなアドバンテージをとれます。
この新小6の2月のスタートの切り方で、中学受験「社会」の合格は決まるといっても過言ではありませんので、その意味でも、ぜひ夏休みを計画的に学習してみてください。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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