【中学受験】角川まんが『日本の歴史』を使った最強勉強法「人物相関図」を使い倒せ!

今回は、角川まんが『日本の歴史』の「人物相関図」についてです。

角川まんが『日本の歴史』は、その構成内容について色々な工夫がされています。

その中でも特におすすめのページが「人物相関図」です。

ここからは、その「人物相関図」とは何か、他の出版社のまんがと比較しながら使い方も併せて解説していきます。

使い方では、我が家(新小5)の実際に取り組んでいる方法をもとに解説していますので、よろしければ参考にしてください。

目次

角川まんが『日本の歴史』の「人物相関図」とは

まず、「人物相関図」とは角川まんがの見開き1ページ目にある登場人物同士の関係図になります。

例えばこちら、下の画像は3巻(平安時代)の見開き1ページ目にある人物相関図です。

このように、その巻で登場する主要な歴史人物の関係を矢印でつなげ、各人ごとに絵と紹介文が載っています。

この人物相関図は、角川まんが全20冊のうち別巻4冊(3冊近現代史+1冊歴史まるわかり図鑑)を除いた本編16冊の全てにあります

角川まんがの人物相関図は本編16冊全てにある!

中学受験向けの歴史まんがで角川と同じくらい人気のある集英社にはこの人物相関図はありませんが、実は講談社と小学館もこの人物相関図を取り入れています。(学研は確か載っていなかったと思います)。

ここから、この人物相関図について角川だけを見てもその特徴が分からないので、講談社や小学館と比較しながら解説していきます。

講談社との比較

先ほどの角川まんが3巻は平安時代の始まりからですが、講談社は4巻から平安時代が始まります。

ということは、講談社は3冊かけて奈良時代までを描いているので、いかに内容を細かく描いているかが分かりますよね(中学受験向けにはオーバーワークとなる理由がこの細かすぎる内容です)。

では、比較対象の背景を具体的に確認すると、角川の3巻は<長岡京への遷都(784年)から後三条天皇の荘園整理令(1069年)までの範囲(約285年間)>になります。

一方、講談社の4巻は<桓武天皇の即位(781年)から菅原道真の大宰府左遷(901年)までの範囲(約120年間)>になります。

やはり、進み方も150年ぐらい角川が早いですね。

それでは、まずは角川の人物相関図です。先ほども載せましたが、再度、確認です。

次が、講談社の人物相関図です。2つを比較してみてください。

違いは分かりましたか?パッと見だと講談社がカラーになっているので印象に残りやすそうですよね。

ところが、よく見ていくと角川の方が歴史人物が頭に残りやすい構成になっているんです。

それでは、1つずつ違いを説明していきます。

ポイント1:角川はグルーピングの配置が分かりやすい!

角川の場合は、人物ごとのグルーピングが非常に分かりやすいです。

例えば、角川の相関図の上の段を見て下さい。天皇家を上に並べて描いているんですね。これが子ども(いや大人にも)非常に分かりやすいんです。

基本的に、この時代は天皇が政治のトップなわけですから、そのグループを上に位置させるのは上下関係として明瞭です。

一方、講談社の場合は、特に天皇家でのグルーピングはされておらず、藤原北家や藤原式家などの細かい範囲のグルーピングなんですね。ここまで詳細なグループ分けは、当然中学受験には不要です。

そして、相関図の構成としては、桓武天皇を中心に矢印で人物関係を示しています。一見、その方が理にかなっているのかなと思いますが、何故か頭に入ってきません。

その理由は、この人物相関図にマイナーな人物まで載せすぎていることにあります。

角川、講談社どちらもこの相関図には23人の登場人物が今載っています。

ところが角川と講談社は同じ1冊でも150年の開きがありました。講談社は150年分、時代範囲が狭いわけです。

範囲が狭いのに人数が同じということは、講談社は載せている歴史人物が多いということですよね。

例えば、桓武天皇の弟に早良親王というのがいます。藤原種継が暗殺され疑いをかけられるという人物ですが、大学受験でもそれほど重要な人物じゃないです(ちなみに中学受験では全く覚える必要はありません)。

角川はこうしたところはバッサリ切っています(もちろん本編には登場します)が、講談社はきっちり早良親王を人物相関図に入れています。

もともと講談社は歴史人物の表情がどれも同じようなタッチなのに、主役じゃない人物までここに入ると見分けがつかなくなります(早良親王と宇多天皇なんかほとんど一緒な気がするのは私だけ?・・・)

この人物相関図というのは、その巻の大きな流れを知るためにあるものなので、グルーピングも大きな枠でした方が分かりやすいんんですね。

角川はグルーピングの範囲とその配置がいい!

ポイント2:角川は時系列順になっている!

もう1つ角川の人物相関図には優秀な点があります。

実は、角川の人物相関図はある程度、時系列順に並んているんです(全部の巻とは限りませんが)。

右から順に年号順、つまりマンガのストーリー順に載せているんですね。

こうすることで、時代の感覚も非常につかみやすいです。

講談社は、桓武天皇が中心にいるので、当然、時系列はばらばらになります。

また、角川のように時系列順になっている点は、中学受験でよく出る並べ替え問題の対策にも効果的です。

例えば、この図から最澄と空海は桓武天皇と同じ年代の人間なんだというがすぐ分かりますね。よく鎌倉時代の法然や日蓮が出てくる時代だと思っている子が多いのできちんとこういうところで押さえておきましょう。

この時系列順というのは、正直かなりポイントが高い項目です。

角川は登場人物が時系列順に載っている!

ここまでで角川と講談社はある程度比較できました。残りの小学館はどんな感じなのでしょうか。

次は、小学館と少し比較してみたいと思います。

小学館との比較

こちらが小学館の人物相関図です。

!!!!!

絵の好みは人それぞれありますからね。

絵がどうとか特に言うつもりはないんですが・・・

あっ、これは奈良時代だったので、ちゃんと同じ平安時代で比べてみましょう。

平安時代はまた絵の雰囲気が全然違うんですよ。

奈良時代とは違いますよね。決して奈良時代の絵が下手とかではないんですが、どうも頭に入ってこないといいますか・・・ごめんなさい。

では、この小学館の人物相関図(平安時代)を見てあらためてどうでしょうか。

角川や講談社との違いが分かりますか?

 

まず、すぐ分かるポイントとしては人が多い!

時代範囲は、角川と講談社の間くらいで、桓武天皇即位(781年)から藤原道長が摂政となる(1016年)少し後ぐらいまでの期間(約240年間)です。

その期間でなんと37人も載っています!同じ期間ではありませんが、角川、講談社の人数をはるかに超えています。

さすがにこんだけの人数が載ると小学生は圧倒されるでしょう。手を出してはいけない領域です。

そして、次に人物の配置を見てみましょう。

桓武天皇が一番右に来ている並び順ですが、時系列順とまではいえないですかね。平将門(935年)や菅原道真(894年)の位置が右からの時系列にはなっていないですよね。小学館もあまり時代の流れとかは意識してないのかもしれません。

また、グルーピングの仕方や天皇の位置も講談社と似ていますかね。

ただ、この相関図には講談社にもない重大な欠点があります。みなさん分かりますか?それは、

最澄と空海が載っていない!

どこを見ても載っていません。もちろん次の巻にも載っていません。37人載せておいて、最澄と空海が載っていないってどういうこと?

新しい仏教を取り入れるために唐まで行って修行して天台宗や真言宗を開いたのに・・・どうみても早良親王より重要です。

ちょっとここは本当に理由が分からないです。講談社も最澄と空海の二人は主人公級で右上に大きく載せていますよね。

中学受験でも、最澄と空海は超必須の人物です。

こうした点からも、やはり角川の相関図は押さえるべき人物をきちんと押さえて、主要な人数だけを絞って載せていることが分かります。

角川の人物相関図に載っている人物はBESTチョイス

ここまでで角川の「人物相関図」のすごさが分かったと思いますので、次からはその使い方を見ていきたいと思います。

「人物相関図」の使い方

それでは、ここから具体的な人物相関図の使い方についてです。

角川まんがの日本の歴史は、特に2巻から政治の話しが入ってくるので、急に子どもにとっては内容が難しくなります。

今回は、その2巻の人物相関図で説明していきます。

人物相関図は、単に子どもにその見開きのページを教えるだけでは全く効果がありません。

では、どうすればよいか。

次からは、我が家で実際にやったことを踏まえて説明していきます。

我が家の使い方

まず、人物相関図のコピーを子どもに渡します。下は2巻の人物相関図です。

そして、2巻の第1章(角川はどの巻も4章立てのつくり)ではここに載っている登場人物のうち、右側にいる①欽明天皇、②推古天皇、③蘇我馬子、④物部守屋、⑤聖徳太子、⑥小野妹子が登場します。

どれも、大学受験であれば必須の人物ですが、中学受験では①欽明天皇と④物部守屋はそれほど重要ではありません

なので、それ以外の4人に〇をします(下の図参照)。さらに、物部氏は子どもに説明する過程で×をつけていきます(蘇我氏との争いで負けるので)。

2巻 見開き1ページ目

子どもに第1章を読んでもらう前に、ざっと内容を説明しながら〇×をつけていきます。

例えば、次のような感じです。

ゆき

「第1章のメインは聖徳太子!なんとなく聞いたことあるでしょ?最初は、この蘇我馬子ってのが出てきて、日本に仏教を取り入れるかどうか問題で、この物部氏って奴と争うの。そして、勝った蘇我馬子がめちゃくちゃ強くなって、自分のめいを天皇にするの。それがこの推古天皇。その推古天皇の面倒見役に聖徳太子がなったんだよ。」

という感じで、ある程度のストーリーの内容を教えてから子どもに第1章を読んでもらいます。

ポイントは、その章で一番メインとなる「歴史人物」を1人言ってあげること。1人というのが重要です。2人言ってしまうと印象が分散されていきます。第1章のメインは、聖徳太子ですね。

こうすることで、その歴史人物を特に重要視してくれるし、とりあえずは聖徳太子のパートだっていう認識は最低限持ってくれます。

続いて、次の第2章であれば、

ゆき

「第2章のメインは中大兄皇子!聖徳太子と顔が似てるね!実は考え方も一緒で、聖徳太子と同じように天皇中心の国づくり目ざしていくんだよ。そして、この章で初めての元号「大化」が決まるんだよ。

と、こんな感じで説明してから第2章を読むと、子どもは中大兄皇子を意識してくれますし、「元号」って何?という問題意識を持ちながら読んでくれます。

そして、次の第3章からはあの大海人皇子、大友皇子、これに中大兄皇子と「皇子シリーズ」が待っています。

この第3章は、さらに丁寧にやった方がいいです。

そこで、この人物相関図をより効果的に使う方法があります。

さらに効果的に使う方法

それが、こちらの記事でも少し書いていますが、「各章の始まり」を活用することです。

見てみましょう。鬼門である第2巻の第3章の始まりのページです。

この3人がこの第3章の主要な登場人物です(いわゆる「皇子シリーズ」)。

このページを見せながら、さらに人物相関図も一緒に見せて天智天皇てんじてんのう大海人皇子おおあまのおうじ大友皇子おおとものおうじの関係を〇×で示していくという感じですね。

ゆき

「第3章のメインは大海人皇子!2章は中大兄皇子(途中で天智天皇になる)だったけど、その天智天皇の後継ぎ争いで、天智天皇の子どもの大友皇子と争うんだよ。そして、勝った大海人皇子が天皇になっていくの。」

という感じです。聞いてるだけで皇子が連発します。

ここは人物相関図をフル活用して、もう壬申の乱の結果まで教えます(大友皇子をここで×する)。

そこまで言ったらつまんないんじゃないの?と思うかもしれませんが、子どもが「日本の歴史」を自分から読みたいと言っていないのであれば問題ありません(逆に、自分から進んで読みたいと言ってる子には、ネタバレするのはやめておきましょう)。

ある程度先の話をしておいて、その流れをまんがで確認した方が、子どもはより歴史に興味をもってくれます。

我が家は、このやり方で主要な人物を覚えながら第3巻までうまく進んでいっています(2024年3月17日現在)。

これが、何もフォローをせずに子どもに丸投げして読ませると、高確率で「よく分かんなかったー」となり、一気に歴史に興味をなくして次の巻を読もうとはしなくなります。

こうなると親の方もテンションが下がって共倒れで読まなくなります。これだけは絶対に避けたいパターンです!

歴史まんがは親にとっても歴史の勉強をやり直せる良い機会ですので、まずは親御さんの方が子どもより先に読んでみて、その読んだ内容を子どもが読む前に少しだけ教えてあげるようにしてましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「人物相関図」は角川だけでなく小学館や講談社にもありますが、各社の構成による違いをなんとなく分かっていただけたかと思います。

いろいろ検討した結果、やはり角川の「人物相関図」が一番使いやすいので、これから角川まんがを使う予定のご家庭は、まずは一番最初の見開きページをコピーして活用してみてください

そして、ぜひ親子で一緒に角川まんが『日本の歴史』を楽しんでいただけたらと思います。

今回の記事が、角川まんがを読む際の活用方法について参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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