角川まんが『日本の歴史』で「2023年度 市川中学校」の入試問題(歴史)は何点とれる?

こんにちは、ゴロブーSTUDIOです。

今回は、角川まんがで何点取れる?シリーズの「2023年度 市川中学校」の入試問題です。

市川中は、千葉県の私立御三家No2の中学校です。

千葉では、東邦中と並んで人気のある学校ですね。

ちなみに千葉の御三家は、東邦中のページでも書きましたが、

「渋幕>>市川=東邦」のようなイメージで、渋幕が頭ひとつ抜けています。

千葉県組の受験生なら、渋幕をチャレンジ校とし、本命を文系の市川中にするか、理系の東邦中にするかといった狙いがオーソドックスかと思います。

今回は、そんな市川中学の2023年度の入試問題(歴史)について、角川まんが「日本の歴史」をマスターしていれば、何点取れるかを検証してみました。

なお、東邦中学(2023)を検証した記事はこちらです。

先に少し難易度に触れておくと、明らかに東邦中より市川の方が歴史は難しいです。

これが、文系の市川、理系の東邦と言われている理由かもしれません。

目次

角川まんがで何点とれるかの検証結果

❶対象問題:2023年度市川中学校〈第1回試験〉「社会 大問1(全9問 解答数12問)、大問2(全3問 解答数8問)」(過去問を持ってない方は「エデュナビ」で公開されています)

➋使用まんが:角川まんが『日本の歴史』 全16巻+別巻4冊定番セット

受験者平均点:52.1  注)合格点が公表されていないため受験者の平均点になります。

検証結果:95点全20問中19問正解)  ※△2問を1問マイナスとしてカウント

問題難易度:Sランク(S、A、Bの3段階)

全体構成:市川中学の社会は大問が4つ(40分/100点)あり、大問1と大問2が歴史、大問3が地理、大問4が公民となっています。

今回は、大問1と大問2の検証で、下の表が角川まんがに掲載されているかどうかの判定表です。

背景色がピンクになっている問題が、角川まんがだけでは解けなかった問題(△含む)になります。

大問正答内容角川まんが掲載
問1-1推古607年、遣隋使派遣〇(2巻 P53)
問1-2高麗モンゴル帝国〇(5巻 P187)
問1-3琉球王国琉球王国の成立〇(6巻 P5)
問21~2世紀の弥生時代〇(1巻 P101、120)
問3解説参照6世紀以降、中国に対して倭王の称号を求めなくなった理由△(1巻P119)
問47世紀から9世紀末までの出来事〇(3巻 P185、186)
問5大輪田泊日宋貿易〇(4巻 P197)
問6元寇〇(5巻 P193、200)
問7日明貿易における輸出品と輸入品〇(6巻 P174、175)
問8a…元禄小判
b…万延小判
〇(10巻 P79)
〇(11巻 P119)
問9-(1)a…モリソン号事件
b…蛮社の獄
〇(11巻 P34)
〇(11巻 P38)
問9-(2)水野忠邦薪水給与令〇(11巻 P53)
大問2正答内容角川まんが掲載
問1-1ポーツマスポーツマス条約〇(13巻 P144)
問1-2ポツダムポツダム宣言〇(15巻 P78)
問1-3日ソ中立日ソ中立条約〇(15巻 P77)
問2伊勢国:三重県、信濃国:長野県〇(2巻 巻末)
問3(1)2番目…イ
3番目…ア
(2つ完答で1問)
ア…領事裁判権の撤廃
イ…大津事件
ウ…関税自主権の回復
エ…欧化政策(鹿鳴館)
〇(13巻 P59)
〇(13巻 P54)
〇(13巻 P62)
〇(13巻 P37)
問3(2)資料1…く
資料2…う
(2つ完答で1問)
資料1…沖縄返還
資料2…シベリア出兵
〇(15巻 P146)
〇(14巻 P83)
問3(3)時期…い
状況…解説参照
解説参照△(13巻 P86)

角川まんがでポイントとなる問題を解説

大問1 問3 6世紀以降、中国に対して倭王の称号を求めなくなった理由

解答例)地方の有力な豪族が大きな古墳をつくっていた5世紀頃までは、大王は中国からの称号をもらい自らの権力を示す必要があったが、大王の支配力が地方にも及ぶようになった6世紀になると称号を求める必要性がなくなったから。

角川まんがでは、ある程度の背景は掲載されていますが、完全ではないので△としています。

まんがの1巻P119では、奴国王が「漢の皇帝から称号をもらい後ろ盾になってもらう」というような言い回しがあり、その描写から当時の倭の国の王たちは自分たちの力を周りに見せつけるために中国の皇帝へ称号を求めていたことが分かります。

この知識と、問題文の<資料2>地方豪族が大規模な古墳をつくることはなくなりましたから、解答例後段の「大王の支配力が地方にも及ぶようになった6世紀になると称号を求める必要性がなくなった」というような説明ができるかがこの問題ではポイントとなります。

大和政権の問題は、他の学校の過去問でもよく出ていますのでぜひ押さえておきましょう。

大問2 問3(3) 日清戦争後の風刺画

解答例)日清戦争において清国が日本に敗れ、その結果、清国の弱体化が明らかになると、列強諸国は競って中国への進出を試み、それぞれの国の勢力範囲を拡大し中国を分割しました。

こちらも角川まんがでは完全に載ってはいないので△としています。

入試問題に掲載されている絵(風刺画)の正式なタイトルは「The Chinese Cake(中国のケーキ)」で、アンリ・メイヤーによって描かれたものです。

絵の様子から真ん中の清を表している人物が「やめろー」と言っているかのような絵ですね。

この問題の絵自体は角川まんがには載っていませんが、下のように列強諸国が清に乗り込む様子が載っています。

角川まんが『日本の歴史』13巻 P86、87より作成

日清戦争の風刺画で有名なのは、矢印の絵のビゴーが描いた『魚釣り遊び』の絵です。

角川まんが13巻P11のカラーページでも紹介されています。

風刺画において、左側にちょんまげを結った人物が日本を、右側に帽子をかぶった人物が清国をあらわし、釣り上げようとしている魚は朝鮮(COREE)とされています。

このように、朝鮮をめぐって、日本と清が対立し、この2人を橋の上から高みの見物をしているのがロシアです。

その姿からロシアが南下政策を進め、朝鮮侵略を狙っていたことがうかがえます。

この風刺画から7年後の1894年に日清戦争が勃発し、その後1904年には日露戦争が起こります。

このように、朝鮮をめぐって日清戦争・日露戦争は起こったということを押さえておきましょう。

角川まんが『日本の歴史』13巻 P11

2023年度 市川中学校 入試(歴史)まとめ

以上より、角川まんがをきちんとマスターしていれば、歴史パートは95点という結果になりました。

試験のレベルは東邦中よりもかなり高いです。

というより、市川中学の場合は大問が4つあるのに試験時間が40分しかないです(他の中学は基本的に社会は45分)。

そして、大問4つの内、歴史は大問1、大問2と全体の半分を占めています。

市川が歴史を重要視していることがよく分かります。

基本的な問題もあるので、全部が難しいというわけではありませんが、時間が短いので考え込んでる暇はありません。

そうした点でも、年号はある程度覚えておき、並べ替えの問題などで時間を稼ぎたいところです。

また、市川は検証結果の表に記載したまんがの巻数から見て分かるとおり、近現代史からの出題比率がとても高いです。

大問2は、ほぼ近現代史オンリーです。

角川まんがは、本編16冊の他に、近現代史を深掘りした別巻の近現代史3冊セットがあるので、必ずこちらも読んで知識を深めておきましょう。

以上、今回は市川中学の2023年度版の検証でした。解説の方は、また時間が空いてるときに更新していきます。

次は、渋幕をできれば検証したいと思います。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

コメント

コメントする

目次